高齢者は病気で安静にしている期間が長かったり、けがをして手術、入院していると自分で歩くことが困難になりやすいです。
当人も「歩けるようになりたい」「他の人の世話になりたくない」と思っています。
介護する側も「歩けなくなってしまった。どうしたらいいのか」と考えることもあるのではないでしょうか。
そうなってしまった場合、どのようなことを行っていけばよいかお伝えします。
リハビリテーションを行う
病状が落ち着いている時は、リハビリテーションを行いましょう。
多くの病院では国家資格をもつ理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在籍しています。
リハビリの専門職で、評価をしながらリハビリテーションを行ってくれます。
担当の医師と相談してリハビリを行ってもらうようにしましょう。
適切な移動用具を使用する
その方の体の状態にあった移動用具を使用しましょう。
用具を選ぶ時はリハビリの専門職、福祉用具業者に相談し、選ぶようにしましょう。
今は様々あるので、基本性能が保てれば好みの色、デザインで選ぶのもよいでしょう。
①T字杖
基本的に杖がなくても歩行出来る方。歩行のサポートのため使用。
②4点杖(多点杖ともいう)
支える支柱が4つ(3つのものもある)ある。T字杖より安定性が高い。
T字杖で安定しない方、脚力が低下している方向け。
③シルバーカー
歩くときにバランスを崩しやすく、杖では不安定な方、荷物を持って歩くことが困難となった方向け。
収納ボックス内に荷物を入れることができ、蓋に座ることができる。
④持ち上げ式歩行器
体幹や下肢に問題があり、立位・歩行に障害がある方で、手指や腕の力に問題がない方向け。
⑤車椅子
下肢筋力に問題がある方向け。
自分で操作できるもの、介助用のもの、電動のものなどある。
足置きや肘おきを外せるタイプもある。
上記は一例です。
他にも移動用具は様々あります。
介護保険制度を利用する
介護保険制度を利用することで、様々な介護サービスを受けることができます。
外出して利用できるサービス、自宅に来てもらえるサービス、宿泊できるサービスなどあります。
介護度により利用できるサービス、限度額がことなります。
利用したい場合は自治体の「高齢福祉課」にまず相談しましょう。
その後ケアマネジャーのいる事業所を選択することになります。
要介護認定を受け、ケアマネジャーの立てるプランに基づきサービスが利用できるようになります。
在宅でもリハビリテーションを継続する
介護保険の制度を利用し、リハビリテーションを継続することが大事です。
通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションのサービスを利用しましょう。
外出して受けるサービスは、外出すること自体がリハビリになります。
また他の方との交流することで、楽しみが出来たり、社会性の維持にもつながります。
楽しみをみつける
「歩けるようになる」「ひとりでトイレにいけるようになる」という目標だけだと、リハビリを挫折してしまうことになりかねません。
その先に楽しみがあれば、目標に向かい継続することができるのではないでしょうか。
「春になったら桜を見にいきたい。それまで杖で歩けるようになる」
「店で自由に買い物をしたい。車椅子を自分で操作したり、乗り移りできるようにしたい」など
目標にするとよいでしょう。