「スキンケア」と聞くとどのような年代の方が思い浮かびますか?
若い世代では思春期ニキビ、働く世代・子育て世代以降では乾燥、しわやシミの悩みがありますね。いろいろな化粧品を試したり、サプリメントをとったり、良いと言われることを試したことがあなたにもあるのではないでしょうか。
高齢になったら会社にも行かないし、化粧する機会も減るからスキンケアは気にしないという声もあります。
しかし高齢者こそ「スキンケア」が重要なのです。
なぜ高齢者にはスキンケアが大事なのか、スキンケアのポイント、おすすめ品をお伝えします。
高齢者の皮膚の変化
加齢により皮膚にもさまざまな変化が起きます。
主に以下の変化があります。
①新陳代謝が低下し、しみが残りやすくなったり、バリア機能の回復や傷の治りが遅くなる
②皮膚が薄くなり弱くなる
③紫外線の影響が大きくなり、皮脂分泌が減少する
④水分を保つ機能が低下し、バリア機能が低下する
さらに紫外線をあびたり、乾燥した環境にいることで皮膚の老化が進みやすい状態に。
皮膚の変化により起こりやすい症状
高齢者の皮膚で起こりやすい症状として
①乾燥
②かゆみ
③ふやけやすい
があります。
乾燥
皮膚の角質層にある水分と結合しやすい成分が減少し、角質層の水分が減少します。
皮脂の量も減少するので乾燥しやすい状態に。
かゆみ
皮膚の乾燥が原因でかゆみが感じやすくなります。
乾燥は皮脂の分泌が少ない腕、脚、背中によく生じます。
かゆみにより眠れなくなったり、かいてしまうことで皮膚に傷がついたり化膿したりすることも。
そのためかゆみの対策は重要です。
かゆみは皮膚の乾燥のほか病気が原因のこともあるので、適切なケアをしても症状が落ち着かなければ医師に相談しましょう。
ふやけやすい
尿の失禁によりオムツを使用することでお尻がふやけやすくなり、かぶれてしまうことがあります。
汗でしわやたるみの生じやすい腹部、そけい部(大腿部の付け根)などもムレてしまうことも。
ムレにより皮膚がふやけ、傷つきやすい状態になってしまいます。
スキンケアのポイント
では皮膚を良い状態に保つためには何をすればよいでしょうか。
ポイントをお伝えします。
- 入浴時
①皮脂をとりすぎない。
入浴、シャワーは40℃前後のぬるめの湯にしましょう。
ナイロンタオルは使用を避けましょう。皮脂をとりすぎないよう綿のタオルを使用したり、「泡」でやさしく洗いましょう。
②タオルで拭くときはこすらず「押さえ拭き」で。 - 保湿剤を適切に使用する
①入浴やシャワーの後できるだけ早めに塗りましょう。
②保湿剤は乳液やローションタイプを選びましょう。広げやすく皮膚を傷つけにくいためです。
③かゆみがある時はかゆみ止めの効果のある薬剤を使用しましょう。 - 衣類はできるだけ綿のものを着る
- オムツを適切に使用する
①失禁量、吸収量に応じ、交換間隔を設定しましょう。かぶれがあるときはこまめに交換しましょう。
②1日1回はお尻を洗いましょう。 - 環境を整える
①冬は加湿器を使用し、湿度は40%以上になるようにしましょう。
②こたつや電気毛布は長時間使用しないようにしましょう。
高齢者におすすめの保湿剤3選
1.ニベアスキンミルク しっとりタイプ(ニベア花王)
個人的におすすめNO.1。
<おすすめポイント>
①ドラッグストアなど身近なところで入手できる
近所のドラッグストア、スーパーなどでよく見かけますね。テスターで感触や香りの確認もしやすいです。
②価格が良心的
私の近所ではセールで¥398前後で売っています。なのでたっぷり使うことができます。
③うるおい成分として浸透型※ヒアルロン酸、アルギニン、保湿成分としてセラミドNG、トレハロースが入っている
※角層まで
個人的にオールシーズン使用しています。特に冬は欠かせません。
冬はしっとりタイプ、夏はさっぱりタイプなど使い心地で選んでみてもよいでしょう。保湿をすることで乾燥からくるかゆみを予防することができます。
2.キュレル 薬用ローション(薬用)(花王)
キュレルシリーズは「乾燥性敏感肌」の方向けに発売されており、「セラミド」に焦点を当て開発されています。
<おすすめポイント>
①べたつかない乳液タイプ
べたつかないのにしっとり感があります。カサつきも予防できます。
乳液タイプでのびが良いです。
②うるおい成分(ユーカリエキス)、炎症を抑える成分(アラントイン)配合
外部の刺激から肌を守り、肌荒れを防ぎます。
③ドラッグストアで入手しやすい
こちらもドラッグストアでよく見かけます。
④家族みんなで使用できる
キュレルはシリーズでさまざまな商品が発売されています。他の商品と組み合わせてみてもよいですね。
3.ミノン 全身保湿ミルク(薬用)(第一三共ヘルスケア)
<おすすめポイント>
①肌荒れを防ぐ成分(グリチルレチン酸ステアリル)配合
②肌になじみやすい
何度もこすって肌に刺激を与えることなく、すっとなじみます。
③家族みんなで使用できる
弱酸性で刺激が少ない処方です。無香料・無着色で家族みんなで使用できます。
高齢者のスキンケア、清潔・環境・保湿が大事
高齢者こそスキンケアが大事な理由をお伝えしました。
加齢による皮膚の変化で、どうしても肌が弱くなります。
外部の刺激から肌を守るために清潔、環境を適切に保ち、肌に合ったローションで保湿することが大事です。
適切な保湿を行ってもかゆみがおさまらない、あざができやすい、皮膚がむけやすい状態であれば、かかりつけ医や皮膚科医の診察を受けましょう。
適切なケアでご家族、高齢者の肌を守りましょう。
参考文献:
株式会社照林社 「スキンケアガイドブック」 一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会